「最高の施術ができた」と思った日に限って、次回の予約が入らないことがある。

会話も弾んだ。お客様は帰り際に「また来ます」と笑顔で言ってくれた。それなのに、1ヶ月経っても2ヶ月経っても、連絡がない。

「自分の技術が未熟だったのか」「接客に失礼があったのか」と自分を責めてしまう。

安心してほしい。リピートしない理由の大半は、不満ではない。「なんとなく」であり、「忘却」だ。

「不満」よりも恐ろしい「忘却」という壁

人は1週間で物事の約7割を忘れるという。

お店を出た瞬間から、お客様の日常が始まる。仕事・育児・SNS・友人との約束――次々と押し寄せる日常の波に、あなたのお店の記憶は静かに流されていく。

お客様は「行かない理由」があるわけではない。「行く理由を思い出すきっかけ」がないだけだ。

これは店主の技術や人柄とは無関係だ。人間の記憶の性質の問題だ。どれだけ素晴らしい施術をしても、日常の忙しさの前では記憶は薄れていく。

紙のカードが「きっかけ」にならない理由

「スタンプカードがあれば思い出してもらえる」と思っていないだろうか。

残念ながら、紙のカードは財布の奥底に眠ったままだ。日常生活の中で視界に入ることがない。視界に入らないものは、存在しないのと同じだ。

財布を開いたときに偶然目に入ることはあるかもしれない。しかしそのタイミングで「今すぐ予約しよう」という行動につながることは少ない。紙のカードでは「忘却」という強敵に勝てない。

マタキテ・パスが「再会のきっかけ」を作る仕組み

スマホは、お客様が1日に何十回も触る「一等席」だ。

マタキテ・パスに登録したお客様の回数券とポイントは、そのスマホの中に存在する。財布の奥底ではなく、毎日触るスマホの中に、あなたのお店が同居している。「あと2回残っている」という事実が、スマホを開くたびに脳の片隅にリマインドされる。意識しなくても、記憶の中にあなたのお店が居続ける。

さらに現在実装予定の機能として、有効期限が近づいたお客様に自動でリマインドメールを送る仕組みを開発中だ。7日前・3日前に「もうすぐ期限が切れますよ」という通知が届く。「そういえば、まだ回数券が残っていた」という気づきが、久しぶりの来店につながる。忘却を再会に変えるのが、この機能の役割だ。

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ポイントと経験値が「通う理由」を肯定する(実装予定)

リピートを促す仕組みは、リマインドだけではない。来店するたびにポイントが貯まる仕組みがあれば、お客様は「また行こう」という前向きな動機を持てる。「あの施術が良かったから」という理由に加えて、「ポイントも貯まるから」という動機が加わる。

現在実装予定のトータル経験値システムでは、来店のたびに経験値が蓄積される。経験値は使っても減らない。一定の経験値に達すると、スタッフ画面に「祝!VIP昇格」と強調表示される。それを見たスタッフが「ついにVIPになりましたよ!いつもありがとうございます!」とお客様に伝える。VIPになったお客様は永久にVIPのままだ。降格はない。

「自分の存在をちゃんと覚えてくれている」という実感が、お客様の承認欲求を満たす。技術への満足だけでなく、「このお店に通うことへの誇り」が生まれる。それが長期的なリピートの源泉になる。

リピート対策とは「思いやり」の継続だ

リピートを促すことは、押し売りではない。あなたの技術を必要としているお客様が、日常の忙しさに埋もれて忘れてしまうのを防ぐ「親切心」だ。

「そろそろメンテナンスの時期ですよ」というリマインドは、営業ではなく気遣いだ。お客様の体や生活を本当に気にかけているからこそ、声をかけられる。

デジタルの力を使って、その「思いやり」を仕組み化する。それが現代の個人店舗に必要な、最もシンプルなリピート対策だと思っている。

まとめ

リピート対策とは押し売りではなく、お客様への思いやりの継続だ。その思いやりを仕組み化するために、マタキテ・パスは存在している。